T@KE【タケ】のブログ

アニメの簡素な感想と艦これを主に綴ってます。PC閲覧奨励。総評は★5満点。

結城友奈は勇者である 感想

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最初のイメージとは大きく異なる作品でした(ラノベ原作の日常モノだと思っていた)。
日本神話をモチーフにしたまどマギを彷彿とさせる、というかほぼそれを感じさせる設定とデザインは多くの人が似てる思ったのではないでしょうか。常に漂う不穏な雰囲気とミスリードかと思わせるくらいのフラグの立ち方や、話が宇宙という舞台に飛躍する点も同じです。
ではこれはまどマギのパクリか?と問われれば答えはNO。ただ僕は同作品に関する造詣が浅いので比較する事はできませんが、この作品に何を感じたか以下綴ります。

作品のテーマの一つに「勇気」があり、変えられない運命を目の前にして人はどういう解釈をし、現状を変えていく過程での苦悩と葛藤を結城友奈と東郷美森の2人をメインに描き、視聴者に考えさせたいのだと思いました。
目を背けることも逃げることも出来ない絶望の中で苦痛の生を選んだのが友奈、安楽の死を選んだのが東郷さん。解釈の違いが行動にハッキリ表れましたが、どちらの言い分も分かります。
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結果として選ばれた(正しい表現かは別として)のは友奈。たとえ生き延びても事実は変わらない。それでも終わらせずに生きることを選ぶ勇気、事実を知らず生きている人々とその世界を守っていく覚悟を持っていることが「結城友奈は勇者である」所以であり、「みんなの為に勇者になった」のかもしれないと考えると主人公としてとても魅力的ですね。どんな時でも弱音を吐かず前向きな姿勢で勇者部と視聴者を引っ張ってもきました。
そして最終話の危機的状況で勇者としてのその勇気が神樹様に、神に届いたと考えます。あまりに抽象的で呆れられそうな答えですが、劇中に答えが無いので想像の域になるのは致し方ないかと。後は個人の解釈の問題のような気がします。結果より過程で感じるものが多かったように思います。

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視聴者の精神を大いに抉った勇者システムもハイリスクハイリターンを表しているのではないかと。何かを成し遂げる為に大きな力を得た結果、代償を払う。供物として捧げたはずの身体能力が戻ってきたのは全ての行いの良し悪しは自分に返ってくる、ということではないでしょうか。(しかしこの解釈では乃木園子の説明が付きませんから正しいとは言えないですね)

一見するとエグい設定や描写が多く目を奪われがちですが分かりやすいメッセージが散りばめられているように思います。

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そしてこの作品日常パートが本当に楽しくてキャラクターを活かすので、徐々に外堀を埋められてどうしょうもなくなる友奈たちの現状との対比が大きいんですね。劇中でいくら彼女たちが楽しそうな日常を過ごしていても視聴者側は素直に楽しめなかったと思いますw観ているうちに「ご都合主義にはなって欲しくないけど、彼女達のバッドエンドも見たくない」という矛盾した心理状態になりました。
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しかし結果的にこの物語は何も解決してないようで解決している部分もあるので前述の矛盾に見事に応えています。結界の外側には無数のバーテックスがいる状態のままです。しかし勇者部全員の身体能力は元に戻りました(友奈については後述)。手放しには喜べないが最悪の状況は脱した。
どういう結末にするか非常に注目していましたが良い落としどころだと思いました。絶妙なバランスだと思います。

今作品に繋がる別作品「鷲尾須美は勇者である」も知りたいと思わせる構想です。1クールの放送だけで終わらせず派生させるようにうまくリードしてますね。観た人が考えて考 えて自分の結論を出してそこに足りない穴を埋める為に鷲尾須美編という答えに辿り着くように。悪く言えば囲い込み、思う壺ですが受け手にも拒否する意思が あるのでやはりそう思わせる展開の仕方は褒めるべきと考えます。「結城友奈の章」で締めているのも同様です。謎を全て明かさず考える余地を残しておく。
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終わり方については賛否両論ありますしあって当たり前なのですが僕は好意的にみています。僕のこの感想とは180度違う人もいるでしょうし色んな意見を見るのは面白かったです(EDで笑ってる人物は死ぬとかいう予想なんかも序盤にありましたねw)。
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↑蛇足ですがこのシーンについては友奈にまだ後遺症が残っていると考える派です。全員にスポットライトが浴びる演出をしたいなら他にいくらでも方法があるからです。


そもそも様々な予測・考察ができるのはそれだけ名作の証と考えています。
そしてこの作品は名作、そう言って差し支えないと僕は思います。


【好きなキャラクター】犬吠埼
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中の人(CV.内山夕実)補正も大きいのですが、風先輩は罪悪感を感じながらも勇者部を引っ張る強さと樹に対する母性、真相を知り一瞬にして崩れてしまう弱さのバランスが好きでした。彼女の場合はさらに「姉」と「母親」という役割も担っていました。その中で気丈に振る舞い、背負い込もうとする姿はとても健気です。普段のキャラクターとのギャップもそう感じさせます。

ただおそらく多くの視聴者は彼女、東郷美森が好きだったのではないでしょうか。このキャラクター色々ズルいですw「ぼた餅」発言で確信しました。
しかし終盤での姿を考えると視聴者を盛り上がらせる為のキャラ付けだったのかなと。

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樹は話せないというのが見ていて辛かったですね…どこまでも姉を信じ、いつの間にか支えられる側から支える側になっている成長具合はグッとくるものがありました。

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夏凜だけ少し遅れていましたが、友奈が始めて涙を見せたのが夏凜の前というのが印象的でキャラクターの大切さを感じさせます。次第に勇者部の一員としての自覚と仲間への想いが大きくなっていく様も良いですね。

人気がバラけるのはある程度仕方ありませんが、各キャラあまり差は出ないくらいにはバランスが取れていたように思います。一人に選ぶのは難しいくらい全員魅力的ですね。